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精神科訪問看護ってどんな仕事?

くらしケアに寄せられた訪問看護に関する質問に、教育担当がお答えします!

Q.精神科訪問看護の、他の科の訪問看護とは異なる魅力を教えてください。
A.利用者さまの「自立(律)性の回復」「自信を得ていく」「自分にも未来(あした)があると感じられる(希望)」に寄り添っていくには長期的に関わり、経験を重ねることが必要です。精神科以外の他科訪問看護も上記のことは含まれますが、治療・現状維持・向上という身体的ケアに比重が置かれていることが多いです。精神科訪問看護は訪問時間を精神的変化に特化して介入することができる点が魅力であると考えています。
また意思表示が難しい利用者さまとの関わりにおいても「人としての関わり」に徹することで潜在能力が引き出されることもあります。
くらしケアでは、ずっと訪問看護(フォーマル資源)を利用し続けるのではなく、訪問看護の卒業を目指しています。精神科訪問看護を利用することで自立(律)性が回復して、利用者さまの望む生活がご本人の力で叶えられることを目標としています。

Q.訪問看護は生活の場である家に訪問するが、最初どのように信頼関係を構築したらコミュニケーションを広げていけますか?
A.「利用者さまを知る」という基本姿勢で接していきます。やはりご本人から教えてもらえなければ、私たち看護師は分からない事ばかりです。ご本人の非言語的表現も大切にしながら、看護師が解釈したことをご本人へ確認することでご本人との認識のズレを予防しています。こうしたやり取りを続けていくと対話ができ信頼関係に大きく影響してきます。
現状(症状や生活の実際)を共有しながら、利用者さまの価値観を聞き出し、何に苦しめられたり悩んでいるのか?をアセスメントしながら言語化しています。この様に向き合う姿勢が信頼関係に繋がって行っていると感じる場面が多くあります。
具体的には、看護師として自分の物差しで観て思い込まないように支援の振り返りを頻回に行ったり、「(◯◯さんのことを)教えてほしい」という対話を続けたりしています。

Q.以前読んだ漫画で、訪問を拒否されたり陰性感情がひどくなったりなどの描写がありました。実際にそのような場面にあったとき、どのように対応してみえますか。
A.元々、利用者さまは対人恐怖を有する方が多いです。時間をかけてゆっくり変化していくのを見守らせていただきます。
しかし質問にもあるように陰性感情が増強したり看護師を拒否することもあります。
そんな時は拒否を悪いことだと評価せず、ご本人が拒否を出すことができたのだと受け止めます。利用者さまとは、こちらが理解を示せない場合や強い言い方をしていなければ、関係修復の可能性は充分にあります。また陰性感情が高まる場合も想定内です。ただそこで看護師が人対人の関係性を構築する機会として捉えず、関わり続けていく姿勢を維持しなければ、その後の関わりが難しくなってしまいます。そのためチームで慎重に関わっていきます。ご本人なりの(陰性感情が強くなった)理由を聞き、ご本人が対処できる方法を一緒に考えます。そこでは回避でなく対峙することを軸としています。

企画開発課(教育担当) 田中

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