鶴舞こころのクリニック院長渡邉貴博様インタビュー
「支援のネットワークを充実させていきます」
医師を志したきっかけや、精神科医を志したきっかけは何でしょうか?
学生時代に見た、国境なき医師団の医療から最も遠い方にも医療を届けるというようなスローガンが心に響いて、医学部に進もうと決めました。
学生5年目の時は、山一証券が破綻し自殺者数が3万人を超えた年で、これから精神に病を持つ方が増えるだろうと思い、そういう方々の力になるために精神科医を目指そうを考えました。
それから、精神患者さんへの医療が海外と比べてかなり遅れている所があると分かり、今はそこに注目しています。
薬物治療にはそれほど大きな違いはないのですが、海外に比べて地域での治療が最適化されておらず、入院治療になりがちなのです。
入院は自立から離れる事でもあるので、地域での治療はその人らしい生活をするためにとても重要で、我々の重要なミッションであると考えています。
これまでの病院勤務から開業を考えたきっかけは何でしょうか?
2014年にホームレスの方々を対象に調査をしたのですが、約7割ほどの方々が知的障がいか精神疾患がある事が分かりました。
これは、まさに多くの方々に福祉や医療の情報が届けられず、きっちり支援のネットワークが構築出来ていない証拠だと思います。
より自分の目指す支援を実現するために、必要に迫られて開業に至ったというのが経緯です。
診察で一番気を付けている事は何でしょうか?
本人に決定して行動してもらう事を一番重要と考えています。
例えば、何かをする、または何かをしないという決定に伴う結果を、ご自身で体感してもらい、そこから次の行動を考える。
こちらから、ああした方がいいこうした方がいいと言ってしまうと、自分で考える力を削いでしまう事にもなりますし、さらには依存に繋がる可能性があるので、それも自立から遠くなってしまうのです。
話は変わりますが趣味はございますか?
温泉に行くなどしたこともありますが、何かしら仕掛けを考えるのが一番好きです。
こんな事を始めると患者さんと社会が繋がるんじゃないかなど、考えを巡らせるのが楽しい時間です。
この先この病院がどうなってほしいなど展望や夢はございますか?
この病院が、というよりも、支援の輪を広げるというか、支援のネットワークを広く構築して、必要な時に必要な支援が手に入り易い世の中にしていきたいという夢はあります。
そうやっていくと選択肢が多く生まれ、より自分に合う生活が実現し易くなる。
これまでは入院という方法で治療していた方が、お家で過ごしながら治療ができるようになる。
それが理想ですね。
最後に、精神の病気に悩まれておられる方に一言コメントをお願いします
医者は、あなたの人生をよりよくするお手伝いをするパートナーとお考えください。
あくまでも主人公はあなたです。
あなたの回復する力が最大限引き出されるよう、私はお手伝いいたします。
一緒によりよい人生となる方法を探しましょう。
精神科・心療内科・内科
医療法人 八事の森 鶴舞こころのクリニック
- 所在地:名古屋市中区千代田 3 丁目 16-7 横山アネックスビル 1F
- TEL:052-684-8091
- ホームページ:https://tsurumai-kc.com/